アジア・アウトリーチ 2025年5月祈祷課題
今月は「トルコ」を覚えてお祈りください
トルコは、西アジアのアナトリア半島(小アジア)と東ヨーロッパのバルカン半島東端の東トラキア地方を領有する、アジアとヨーロッパの2つの大州にまたがる共和国。首都はアナトリア中央部のアンカラ。
トルコの経済・政治・宗教について
トルコでは伝統的な農業、近代的な工業そして観光業が盛んである。労働人口の約30%が農業従事者だ。東ではユーフラテス川やティグリス川を中心に開発されている。1990年代と2000年の初頭に経済改革が行われ成長は一層早くなった。世界で16番目の経済大国であるものの、高い失業率が課題となっている。EUはトルコの加盟を求めているが、加盟するための必要な改革は十分ではないままだ。
昔のオスマン帝国の領土は北アフリカ、アラビア、西アジア、そして南東ヨーロッパまで及んだ。第一次世界大戦とともに帝国はなくなり、現在のトルコは1923年に独立国家となった。1983年に民主的国家となったが、それまでに多くの内紛や不安定な社会情勢が続いた。1999年までクルド民族の分離主義者たちとの長い戦いが続き、30,000人が犠牲になったとされている。2002年から2003年までに続いた改革によってクルド人の立場は大幅に向上した。
オスマン帝国は数あるイスラム教の聖地を堅く守り続けた。1920年以降、トルコは政教分離を掲げている。政府は信教の自由を認めているが、宗教活動には制限がある。クリスチャンが殺され、脅迫されている報告があることから、クリスチャンに対する迫害が少なからず存在している。
トルコのその他の情報
- 面積:779,452㎢ (日本の約2.1倍)
- 人口:87,685,426(日本の約71% 2020年時点)
- 宗教:
- イスラム教 96.64%
- 無宗教 3.10%
- キリスト教 0.21%
- その他 0.03%
- ユダヤ教 0.02%
「光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。」 ヨハネ 1:5
祈祷課題
大地震から回復しようとしているトルコを覚えて
2023年月に発生した壊滅的な地震は、トルコにとって過去 1500 年間で最悪のもので約5万人が死亡した。何百万もの建物が破壊または損傷し、何十万人もの人々が家を失った。都市部から離れている所での被害が特に大きく支援が困難になっている。建物の多くは汚職により安全基準を満たしていない。インフラと腐敗した政治指導者への信頼の両方を再建するには、数年、あるいは数十年かかるだろう。喪失のトラウマは多くの人にとって一生残るだろう。神がこの不幸を祝福へと変えてくださり、福音を拒んできた地域に救いがもたらされるように。またクリスチャン同士が教会の枠を超えて協力し援助し、思いやりと憐れみをこの地域に注ぎ続けられるように祈らなければならない。
福音を特に必要としている民族グループを覚えて
クルド人問題はいまだ根強く続いており、トルコ全体で1,500万人はいるとされている。クルド人は偏見と差別を受けながらも、トルコ国民の一部分を構成している。軍とクルド分離主義たちとの間柄は悪く、30,000人ものクルド人が犠牲となっているほか、多くのクルド人の村が焼き滅ぼされている。住まいや仕事を失ったクルド人たちは違法な仕事に就くことが多い。
クルド人のほかにも、福音を必要としているグループがある。トルコの118の大学では約190万人の学生が在学しているが、キャンパス・ミニストリーなどの働きがない。子どもに対するミニストリーは法律上禁止されている。このためホームレスになる子どもがおり、イスタンブールだけでも、30,000人のストリートチルドレンがいるとされている。これらのグループに福音が伝えられる有効的な方法が必要だ。
迫害や敵対を経験しているクリスチャンたちを覚えて
クリスチャンへの迫害は増加傾向にある。トルコの右翼系の人々やイスラムの過激派が主な迫害者たちだ。社会からの追放、警察によるいじめ、独断的な拘束、教会活動や礼拝の妨害といったことがクリスチャンたちを不安にさせ、恐れを与えている。他にももっとひどい迫害が報告されている。苦しい状況の中でも教会やクリスチャンたちがイエスにある忍耐をもって立ち続けていくことが必要だ。
この情報のPDFはダウンロードできる:
https://onfire.jp/downloads/pfn/2025-5-turkey-PFN.pdf
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