アジア・アウトリーチ 2025年7月祈祷課題
今月は「アルメニア」を覚えてお祈りください
アルメニアはトルコ、グルジア、そしてアゼルバイジャンに囲まれている共和国。首都はエレバン。
アルメニアの経済・政治・宗教について
アルメニアは文化として2,500年もの歴史をもっているが、独立したことはほとんどなかった。旧ソビエト連邦からは1991年に独立した。地理的にトルコや旧ソビエトやペルシャといった強国に挟まれていることもあり、戦争の被害を受けつづけてきた。隣国のアゼルバイジャン領土内にはアルメニアの自治区がある。過去にはトルコとの境界線でも軍事的な衝突がおこっていた。1994年からは国内外での軍事的な紛争はやんでいる。
敵対している隣国に対抗するために、アルメニアはロシアとの強い政治的な結びつきを保っている。政権は民主的であり比較的に安定している。アルメニアの経済を支えているのは農業や鉱業で、近年では観光業が伸びつつあるが、国内には低い就職率や貧困が蔓延している。共産的なリーダーシップが崩れたのちに信教の自由が認められるようになった。しかし、アルメニア政府と国教教会とは密接につながっており他宗教に対する差別が少なからずのこっている。
アルメニアは紀元301年に、世界で初めてキリスト教を国教とした国だ。そのため国内には、かなり古くからの教会や修道院が多く点在している。中でも世界遺産にも登録されているアルメニア正教の総本山「エチミアジン大聖堂」は、アルメニア人の心の拠りどころとなっている。また、アララト山(現トルコ領)は、旧約聖書にでてくる「ノアの箱舟」が漂着した場所と伝えられている。
アルメニアのその他の情報
- 面積:298,000㎢ (日本の約80%)
- 人口:2,952,365(日本の約 2.4% 2020年時点)
- 宗教:
- キリスト教 94.43%
- 無宗教 3.73%
- イスラム教 1.80%
- バハイー教 0.03%
- ユダヤ教 0.01%
「ですから、あなたがたは、互いに罪を言い表し、互いのために祈りなさい。いやされるためです。義人の祈りは働くと、大きな力があります。」 ヤコブ 5:16
祈祷課題
アルメニアの将来を左右する隣国との関係を覚えて
何世紀にもわたる激しい紛争、抑圧、虐殺により、アルメニア人は隣人に対する憎しみと不信感を少なからず抱いているはずだ。1915年から1917年にかけて、トルコは無慈悲な大量虐殺で最大150万人のアルメニア人を殺害した。1988年から1994年、そして2020年から2023年にかけてのアゼルバイジャンとの紛争は、勝利したアゼルバイジャン軍によるナゴルノ・カラバフのアルメニア人住民の浄化に終わった。ロシアは長年アルメニア人に対して支えてきたと言われているが、ウクライナやイスラエルにおける紛争に対する国際的な焦点が向けられてきてからは、その支援もいつまで続くか不透明である。主がご自身の力をもってこれらの地域に平和を与えてくださるように。また、アルメニア人が繰り返されてきた大量虐殺の恐ろしい恐怖から解放され、痛みの中でも許すことを学べるように祈りが必要だ。
アゼルバイジャン領土内にあるアルメニア自治区、「ナゴルノ・カラバフ」を覚えて
実際的には独立した自治区であるものの、支配権が明確になっていない。アゼルバイジャンから逃れてきたアルメニア難民が25万人もおり、アルメニアから逃れてきたアゼルバイジャン難民は53万人にものぼるとされている。彼らの多くは安定した行き先がないまま生活している。戦争はやんでいるが、問題解決に向けての外交的な努力はことごとく成功していない。両国とも妥協をしないかまえだ。またナゴルノ・カラバフ自治区も直接的な意見を聞いてもらえない限りいかなる解決をも認めないとして堅い姿勢をたもっている。関係している各国に同等の益が与えられ、前進できる解決策が必要だ。
キリスト教国家としてのアルメニアを覚えて
1,700年という長いキリスト教の歴史をもつアルメニアは、世界で最初のキリスト教国家である。隣国に対して神の愛の光と祝福を与える国家として立つことができる。実際に、アルメニアの教会に所属している多くの人々はキリスト教国家として歩んできたことの祝福と責任を自覚しはじめている。このようなムーブメントがより広がっていくことが期待できる。
この情報のPDFはダウンロードできる:https://onfire.jp/downloads/pfn/2025-7-armenia-PFN.pdf
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