アジア・アウトリーチ 2025年8月祈祷課題

今月は「シリア」を覚えてお祈りください

    シリアは中東・西アジアの共和制国家。北にトルコ、東にイラク、南にヨルダン、西にレバノン南西にイスラエルと国境を接し、北西は東地中海に面する。首都はダマスカス。
    2011年の反体制デモは、今日も続いている内戦につながった。推定40万人が死亡し、400万人以上が難民として逃げ出し、紛争は今も続いている。人口の半数は戦闘のために国内避難民になった。政府軍は都市部を爆撃し、大量虐殺を行ったために、反体制派勢力はシリア政府による爆撃と暴力に応戦している状況だ。化学兵器も使用されているため、国際社会からの強い非難を受けている。
    行き詰まりに対する解決策はまだ見つからないが、血が流れる戦いは続いている。この戦争は時にはイラクやトルコへも流出している。何よりも、暴力の終結とともに、シリア人が生活と国家を再建する機会を与える解決策が必要だ。

    シリアのその他の情報
    • 面積:185,180㎢ (日本の約半分)
    • 人口:25,620,427 (日本の約20.1%) 
    • 宗教:
    • イスラム教 90.00%
    • キリスト教  6.34%
    • その他     2.25%
    • 無宗教    1.40%
    • バハイー教  0.01%      

    「主は地の果てまでも戦いをやめさせ、弓をへし折り、槍を断ち切り、戦車を火で焼かれた。」 詩篇46:9

    祈祷課題
    未伝部族・民族を覚えて

    イスラム・スンニ派に属するアラブ人―彼らの大多数は福音を一度も聞いたことがない。
    イスラム・アラウィー派の人々―シリア北西の海岸地域に居住するシーア派の一分派。大統領候補者を輩出している少数派の民族。彼らは軍や政府に強い影響力を持っている。正統的なイスラムの教えから枝分かれして、キリスト教に通ずる可能性をもつ教えを信じている。
     イスラム・ドゥルーズ派の人々―シーア・イスマイール派の一分派。シリアの南に住む彼らもイスラムから密かに枝分かれしている。接触するのに困難とされてきたが、近年は応答が増えており、少数だがクリスチャンたちがいることが確認されている。
     クルド族―北や北東に住むこの民族は普通のアラブ人たちにくらべて受容的であるとされている。この民族の中には少数の正教会キリスト教徒がいる。大多数はイスラム・スンニ派に属している。
     ベドゥイン人、チェルケス人、トゥルクメン人、ジプシ―(ロマ)人―これらの部族のほとんどが未伝である。ジプシー人やベドゥイン人に対してはクリスチャンの働き人が数名働いている。

    シリアの社会的安定のために

    2011年の反体制デモは、シリアの人口の半分近くを避難させるほどに大きな戦争につながった。抑圧的なアサド王朝は2024年に倒されたが、紛争に関与している派閥は多く、抗争は一部の地域で今でも続いている。シリア領土の大半を統括する暫定政府は発足したばかりだ。クルド人主導の連合軍が一部の領土を保持しており、トルコ、イスラエル、アメリカはシリアのさまざまな地域で軍事的活動を維持している。シリアは依然として戦争状態にある。多くのシリア人にとって最も重要な問題は、新政府がどのようなリーダーシップでイスラム教を推進するのかということだ。戦争で疲弊した土地に聖書の神による平和を祈らなければならない。絶望によって長く苦しんでいる人々が神の憐れみを受けられるように。また、キリストによって正義と平和と希望に満ちた将来が訪れるように祈らなければならない。

    シリアでは少数であるキリスト教徒たちを覚えて

    シリアのクリスチャンたちは他の中東の国々にくらべて自由で安定した生活を送ることができる。正教会とカトリック教会はイスラム教が国に広がる前からシリアに存在しており、教会には多くの敬虔なクリスチャンがいる。クリスチャンの多くはアラブ人だが、アルメニア人クリスチャンコミュニティーも存在する。クリスチャンたちの多くは都市部に集中している。しかし、家をもつことや就職することは差別もあって難しいのが現状だ。実際的な信教の自由が認められなければならない。

    この情報のPDFはダウンロードできる:https://onfire.jp/downloads/pfn/2025-8-syria-PFN.pdf

    提供:アジア・アウトリーチ
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