(アジア・アウトリーチ2023年4月祈祷課題)

今月は「スリランカ」を覚えてお祈りください

スリランカは南アジアのインド亜大陸(インド半島)の南東にポーク海峡を隔てて位置する共和制国家。首都はスリジャヤワルダナプラコッテ。1948年2月4日、イギリスから自治領(英連邦王国)のセイロンとして独立。1972年にはスリランカ共和国に改称し、英連邦内の共和国となり、1978年から現在の国名となった。島国で、現在もこの国が占める主たる島をセイロン島と呼ぶ。国名をスリランカに改称したシリマヴォ・バンダラナイケは世界初の女性首相である。

スリランカの経済・政治・宗教について

  スリランカはかつて暴力を断固として認めない寛容な国として知られていた。しかし、スリランカのでは1983年から2009年まで内乱が続いた。政府に対抗する住むタミル人たちの内乱は実に27年も続いた。2009年にタミル人組織「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)は政府軍によって打ち負かされた。しかし、LTTE側の死者数が350万人~50万人だったために人権の観点から政府は多くの批判を受けた。内乱は終わったものの、タミル人たちの政府に対する苦情と怒りは根強い。

 仏教王国としてスリランカは何世紀にもわたって、インドからの難民(ヒンズー教徒、イスラム教徒、キリスト教徒)を歓迎した。しかし、仏教的過激主義者たちは、タミル人をひどく扱い、イスラム教徒の成長を嫌がり、キリスト教伝道の拡大を妨害した。結果、キリスト教徒に対する迫害が波のように起こり、近年、少なくとも250の教会が大きな被害を受けている。霊的には、仏教とヒンドゥー教で信じられている古代の霊や神々、が依然としてスリランカの霊的権力を握っているようだ。

 北海道よりやや小さい国土に2,200万人の人口を有するインド洋の島国スリランカが、未曽有の経済危機に陥っている。スリランカでは、26年間続いた内戦が2009年に終結、国内情勢安定化を背景に経済成長が加速した。しかし、2020年には、コロナショックがスリランカ経済を襲い、外国人観光客の激減などにより、2020年の経済成長率は3.6%とマイナスに転落した。2022年には経済危機に見舞われ、暴動が発生、大統領が国外逃亡、首相が「国家破産」を宣言するという異常事態に陥ってしまった。

スリランカのその他の情報

  • 面積:65,610 ㎢(日本の約17%)
  • 人口:21,497,306(日本の約17%、2020年時点)
  • 宗教:
    仏教                   70.02% 
    ヒンズー教           12.80% 
    イスラム教         8.52% 
    キリスト教            8.38%
    無宗教              0.20%
    バハイー教         0.07%
    シーク教          0.01%

「主は、王だ。地は、こおどりし、多くの島々は喜べ。」

詩編97:1

祈祷課題

過去のきずがいやされるように

 長く続いた内乱と2004年の津波、また2009年に強制的な終戦のために多くのいのちが失われている。タミル人と政府との間の長く続いている確執が解決されるように。政府が公明正大になるように。社会復帰に苦しむ元LTTE民間兵士たちのために。湾岸地域で働いて仕送りしている女性労働者たちのために。

福音宣教を覚えて

 仏教やヒンズーに加えて、スリランカの土着信仰では多くの神々や悪霊が崇拝されている。悪しき宗教的な文化をつくっているこれらの主権と暗闇の支配者たちの力が弱まるように。1973年には21%あったキリスト教徒は2010年に7%まで減少している。教会が守られリバイバルされるように。

スリランカ人口の37%に当たる未伝部族を覚えて

 内乱をもたらせたタミル人たから逃げて国内に離散している「ランカ・タミル人」への福音宣教のために。「エステート・タミル人」という社会から見下されている貧困層の人々のために。今日、彼らの中から救われる人が多く起こっている。子どもや若者たちへの働きに十分な資源が与えられるように。2万5千の村々にはまだ教会がないといわれている。僻地に対する宣教が進むように。津波や内乱によって傷ついている人々に対する働きが祝福されるように。

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