(アジア・アウトリーチ 2024年7月祈祷課題です。)
今月は「東ティモール」を覚えてお祈りください
東ティモールは、1999年8月30日、国連主導の住民投票によりインドネシアの占領から2002年5月20日独立した(国際法上はポルトガルより独立)。21世紀最初の独立国である。島国であり、小スンダ列島にあるティモール島の東半分とアタウロ島、ジャコ島、飛地オエクシで構成されている。南方には、ティモール海を挟んでオーストラリアがあり、それ以外はインドネシア領東ヌサ・トゥンガラ州(西ティモールを含む)である。
東ティモールの経済・政治・宗教について
ポルトガルによって無視され、エリートを富ますためにインドネシア軍によって開発された国。1999年に独立選挙を行うもインドネシアの妬みをかってしまい壊滅状態へと追いやられた。新しくできたこの国はまだ復興の最中にある。農業や鉱石が将来の経済の中心となる可能性があり、近海に埋蔵されている多量の石油やガスに将来性があるがオーストラリアの協力が必要だ。国民の大多数が貧困状態にある。
東ティモールは1511年~1974年までポルトガルの統治下にあった。この後に国内の戦争やインドネシアの占領があり、制圧、飢え、行き届いていない医療や不安定な経済などの問題が続いた。インドネシアの占領によって実に100,000名もの犠牲者が出たとされている。国際社会からのプレッシャーもあって1999年に独立が可能となった。国連が介入する前に、国内の約75%ものインフラが破壊されてしまった。正式には2002年に独立したが、内紛や暴力が横行している。特に大きな衝突は2006年にあった。東ティモールが全く自立して立つためにはまだ数十年かかると考えられている。
アジア圏では珍しく、カトリック教徒が大多数である。背景にはポルトガルの影響があり、1975年までカトリックは国教として認められ、富裕層の宗教であった。現在では少しであるがプロテスタント・クリスチャンやイスラム教徒に対する偏見が報告されている。
東ティモールのその他の情報
- 面積:14,874㎢ (日本の約4%)
- 人口:1,379,883(日本の約1.1% 2020年時点)
- 宗教:
- キリスト教(カトリック) 87.39%
- 土着宗教 10.81%
- イスラム教 1.10%
- ヒンズー教 0.50%
- 仏教 0.10%
- 中国宗教 0.10%
「まことに、主は大いなる方。おおいに賛美されるべき方。すべての神々にまさって恐れられる方だ。」
詩篇96:4
祈祷課題
貧困者を多く抱える東ティモールを覚えて
この小さな若い国は貧困と分断と戦争のトラウマから抜け出すための闘いを続けている。人口の半数近くが貧困ライン以下の生活にある。これと関係して健康問題や識字力の低さなども社会の問題となっている。戦争の傷跡はいまだ十分にいやされてはおらず、インフラ整備は公務員たちの道徳的腐敗によって遅れている。社会が変えられていくためには数多くの分野での改革が必要だ。オーストラリアが寛容に接してくれれば、近海の石油やガスが大きな経済的な祝福を東ティモールにもたらすことが出来るだろう。東ティモールはアジアでも若年層の多い国の一つであるために、学校や職場づくりが急務であり、行き届いた医療制度や政治的リーダーシップの訓練も必要とされている。人口は少ないものの、23のグループと19の言語に加えて最大30の方言がある。国家の統一と発展にはまだまだ時間がかかるだろう。カトリック教会は新約聖書を出しているものの、聖書はまだ13のことばに翻訳される必要がある。東ティモール人の教育、健康、生活水準を向上させる賢明で長期的な政策が必要とされている。また調和のとれた国民的アイデンティティの形成がキリストの支配の下で行われなければならない。
東ティモールのプロテスタント教会を覚えて
プロテスタント教会はゆっくりだが確実に増え広がっている。伝統的なカトリック教会は今東ティモールで最も必要とされている慈善活動の最前線で活躍している。このため、プロテスタント教会はインドネシアからやってきたもので、自分たちの土地を占領しかねないものとして警戒されている。1960年からアッセンブリーズ・オブ・ゴッドの教会が働いてきている。しかし、いまだ東ティモール人の大多数は福音を救いに至るほどに聞いたことがない。特に19の特定の民族に対する宣教が必要だ。
この情報のPDFはダウンロードできる:
https://onfirejapan.com/onfire/downloads/2024-7-East-Timor-PFN.pdf
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