(アジア・アウトリーチ2022年8月祈祷課題)

今月は「イラン」を覚えてお祈りください

イランは、西アジア・中東のイスラム共和制国家。北にアゼルバイジャン、アルメニア、トルクメニスタン、東にパキスタン、アフガニスタン、西にトルコ、イラクと境を接する。また、ペルシア湾をはさんでクウェート、サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦に面する。首都はテヘラン。

イランの経済・政治・宗教について

イラン経済は輸出の80%を占める原油と天然ガスによって支えられている。インフラなどの整備がまだ不十分であり、運送費が非常に大きく、原油輸出による収益の多くは一部の人々にのみ還元されている。政治には腐敗が蔓延しており、宗教的な制限のゆえに海外からの投資も限られている。近年では輸出益を広く還元し、新しい雇用の創出にあてるといった政治的取り組みが積極的になされている。都市部の発展と人口増加は非常に早い。目覚ましい近代的な成長とともに失業者の数の増加が社会問題となっている。イランの政体は1979年以降の憲法の規定による立憲イスラム共和制である。政治制度的に複数の評議会的組織が複雑な関係をなしている。これらの評議会は、民主主義的な選挙によって選出される議員で構成されるもの、宗教的立場によって選出されるもの、または両者から構成されるものもある。

大部分のイラン人はイスラム教徒であり、その90%がシーア派十二イマーム派(国教)、9%がスンニ派(多くがトルクメン人、クルド人とアラブ人)である。ほかに非イスラム教の宗教的マイノリティとしてバハイ教、ゾロアスター教、ユダヤ教、キリスト教諸派などがある。‎近年、膨大な数のイラン人がキリストを信じて救いに導かれている。1979年には、イラン国内のキリスト信者はわずか500人だったが、最近ではイランだけでも100万人を上回ると推測されている。この成長は多くのしるしと不思議や夢や幻が伴う、聖霊の目覚ましい動きである。

イランのその他の情報

  • 面積:1,648,196㎢ (日本の約 4.3倍)
  • 人口:85,028,760 (日本の約 67% 2020年時点)
  • 宗教:
  • イスラム教           98.64%
  • キリスト教            0.51%
  • バハイ教               0.40%
  • 無宗教                   0.28%
  • その他                   0.15%
  • ユダヤ教               0.02%

「見よ。ある者は遠くから来る。また、ある者は北から西から、また、ある者はシニムの地から来る。」

イザヤ書 49章12節

祈祷課題

特に福音を必要としている諸部族を覚えて

イランには数多くの未伝部族がある。

イラン南西部、ザグロス山中の複数雄遊牧民― これらの民族の中には数えるくらいのクリスチャンしか確認されていない。定期的に移動していく彼らの生活スタイルのゆえに教会開拓が難しい。幸いにもキリスト教のラジオ番組や「ジーザス」フィルムは彼らのいくつかの言語に訳されている。

複数のクルド民族―イラン北西部や北東部で暮らしている。イラン社会に対立的な立場に立っていることが少なくないので、経済的に厳しい生活やイラン社会や文化になじめないままでいる。多くはイスラムスンニ派に属している。

アゼル人やトルクメン人―イランの北部で暮らしている。ほとんどクリスチャンやキリスト教に接触したことがなかったが、近年彼らのことばに訳された新約聖書や詩篇や箴言がある。アゼル人はイランの中でも最も数の多いマイノリティーグループだ。この大きなマイノリティーグループが聖書の主人公であるイエスに出会えるように祈りが必要だ。

バロクとブラフイ人―イランの南東部に暮らす彼らの多くはイランの統治に不満足だという。敵意や無法がこの民族の間に多くある。クリスチャンの数は非常に少ないものの、ラジオや衛星放送によって福音が伝えられている。

ドマリ人、ゴルバディ人、マワリ人― 遊牧民族でイラン国内に合計130万人はいるとされている。彼らの社会的な立場は低く遊牧的な生活を送っていることからあまりイランのなかでも知られていない部族だ。これらの部族に直接的に働きかけているキリスト教団体や働き人はまだいないようだ。

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Let’s join our hearts and prayers together to pray for Iran during the month of August.